6月18日(金)、スーパーグローバルクラスの特設授業「国際文化」にて、恵泉女学園大学人間社会学部の高橋清貴教授による出張講義が行われました。SGクラス6期生(高2)とSGクラス7期生(高1)にとって、今年度初めての高大連携授業です。
今回の講義のテーマは「平和構築と人間の安全保障」です。前半は「あなたにとって『平和な社会』とはどんな社会か?」という問いに対する9つの答えをめぐり、どのように優先順位をつけるべきか、ペアワークを交えながら考察するワークショップを行いました。後半は、高橋先生ご自身が世界各地の紛争地で活動されたご経験を踏まえて、望ましい平和構築のあり方やその課題について講義して頂きました。以下、生徒たちの声です。
今回の授業で新たに知ったことや考えたことの一つは、戦争や紛争が起きてしまう原因についてです。授業の中で、街中にゴミが散らかっている写真が紹介されたときに、高橋教授は「戦争は社会の仕組みをも壊す」とおっしゃっていました。日本の街中で清潔さが保たれているのは、日本ではごみ収集の仕組みや制度が出来上がっているからです。しかし、イラクなどの紛争地域ではゴミが散乱してしまっています。それは社会の仕組みや制度が浸透していないからだと知りました。仕組みを確立させるためには時間がかかり、紛争の悪循環が起こってしまう可能性があります。そこで高橋教授がおっしゃっていたのが、「復旧」「復興支援」「開発支援」なのだと思いました。ここでいう「復興支援」とは、2011年に起きた東日本大震災の時に良く使われた「復興支援」とは少し意味が違うのかなと私は思います。壊れた建物を再建し、人びとの住む場所と食糧を確保するだけではなく、他の国とも協力して政治を立て直したり、人々の心のつながりを戻したり、心のケアをすることで安心して過ごせるような社会にすることが「復興支援」であると思いました。(SG7期生 宮下さん)
今回の授業で、「なぜ」と考えることの難しさ、大切さを学びました。授業の最初に平和のための優先順位をつけたとき、高橋教授は「なぜ1番にその番号を選んだのか、逆になぜその番号以外は1番に選ばなかったのか」と私たちに問いました。私は発表出来るようによく考えて選んだつもりでしたが、いざ聞かれると自分の意見に自信がなくなってしまい、明確な根拠がないことに気付かされました。 また、紛争のグラフをみて分かることを発言した際にも、「じゃあなぜこのような結果になっていると思う?」と質問されました。私は見たままの事を言っただけだったので、「なぜそうなったか」を問われても上手く答える事が出来ませんでした。しかし、この背景には大きな戦争や国連など様々なものがあり、現在の平和を考える上でとても重要なポイントでした。ただ結果を見るのではなく、「なぜ」を1つずつ考えていく事で、その物事の本質が見えてくるのだと実感しました。(SG6期生 峯田さん)
平和とは一体どういう状態なのか。異なる認識を持つ人とどのように対話すべきなのか。高橋教授の講義を通して、生徒たちの心には、国際平和について考えるための本質的な問いが芽吹いたようです。世界を見るための大切なことを大学の先生から学ぶことができ、本当に良かったですね。